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「防災」を「売る」ということ



どこかでこんなフレーズを耳にしました


「ビジネスとは、『いらない』を『いる』にさせる技術である。」


本来生活に必要ないものを必要だと思わせる、ということですね。


数年前にこれを知ってからは、どこかで新商品が出たとか、新サービスのCMがやっていたりするのを見ると


「ああ、『いらない』を『いる』にさせようとしてるな、これがビジネスか」と意識するようになりました。


はたから見ると、なんか斜に構えて嫌な感じですね。笑


別にビジネス感を感じたからって購買意欲が下がったりはありません。


良い商品、良いサービスはいくらでも欲しい、物欲の権化のような人間が僕です。


(今はAnalogue Pocketというゲーム機が欲しいです)








さて、みなさんの周りにあるもの、今欲しいと思っているものは、本当に生活になくてはならないものですか?


きっと「これがあると〇〇が楽になる」とか「これがあるから生活が楽しい」といったものがほとんどだと思います。


問題ありません。


それで全く問題ありません。


「生活に必要なもの」なんて突き詰めたら「水・食料・屋根」くらいしかありません。


服なんて着なくても死なないですからね。


いや、冬はまずいか。



まあそれはいいとして、今みなさんの周りにあるもの、欲しいものは突き詰めたら別になくても良いものなんです。


僕が今作ってるプラモデルなんて最たるものです。









この流れで何が言いたいかというと、弊社が販売している「防災セット」はどうなんだ?ということです。


結論から言えば、防災セットも同じように「生活に必要ないもの」になります。


お隣の奥さんから「ちょっと今うちの防災セットを切らしちゃってまして、、、少しお借りできますか?」


なんてインターホン越しに言われたことありますか?


あったらすみません。



お分かりのように、防災セットなんて生活の上での必要度は醤油や味噌以下なんです。


なんなら僕のプラモデルより下かもしれません。


だって持ってたって楽しくないですから。



ではなぜ商品として成立するのか?


それは「不安」だから。


人間は未来を想像できる生き物です。


良い未来も悪い未来も想像できてしまいます。


楽しくてハッピーな未来が予想できるから金曜ロードショーに合わせてポテチとコーラを買い、


傷が痛くて悪化する未来が予想できるからティッシュと絆創膏をバッグに忍ばせるんです。


人が何かを買うとき、常に未来を考えています。


過去の自分のために買い物したことありますか?


ないですよね。きっと。



そして、ほとんどの買い物で想定される「未来」は買い手の頭の中では確定しています。


買って店出てすぐ飲むミネラルウォーター、お風呂のカビを見つけて吹きかける漂白スプレー。


使うとわかって買っています。


「寿司好きのレオナルド・ディカプリオが来たときのために寿司を買っておこう」とは思いません。


99%来ません。



そこでいま一度防災セットに思いを馳せると、


生活においての必要度は、


ミネラルウォーター < 防災セット < ディカプリオのための寿司


となります。


要するに、「中途半端に必要」なんですね。


公式Twitterでプレゼント企画をした際には、


「自分では何を揃えていいのかがよくわからず後回しになっています」


「毎年、地震や豪雨など何らかの大災害が各地で起こっているのを見て、いい加減防災リュックを用意しないと、と感じています」


「南海トラフ怖いです。対策しなければ!」


といった内容のリプライをたっっっっっくさんいただきました。


みんな必要とは思いつつ用意はできてないんです。


そりゃまあ僕だって「1万円分のポテチか防災セットか選べ」と言われれば前者を選びます。


用意してないみなさんは悪くありません。


そりゃそうです。


すでに用意されている方はすごいです。尊敬します。



ただ、今一度考えてほしいのです。


防災セットで守れる命の価値と、お菓子を食べて得られる幸福の価値を。


いや、後者も十分大切なんですが。


防災ショップとして言いたいのは、


「守れる命」を「守れたはずの命」にしてほしくない、ということです。



防災セットは、持っていなくても命には関わりませんが、持っていないと命に関わります。


なぞなぞみたいですね。


「持っていなくても命に関わらないけど、持ってないと命に関わるものってな~んだ?」


「正解は防災セット!」


「わかるか~~い!!!」


はい。


ちょっとボケちゃいましたが、そういうことなんです。


これを読んでいる今は不要ですが、これを読めないような事態のときに必要になります。



弊社の防災セットは、業界の中でも価格と内容のバランス、


言い換えれば、”コストパフォーマンスが高い”と思っております。



その要因の一つは「広告費」です。


弊社は広告費にほとんど費用をかけていません。



あまり意識したことがないかもしれませんが、


テレビCMはもちろんのこと、YouTubeで動画の前に流れるアレや、


個人のブログページなんかの四方八方に貼り付けてあるアレもすべて広告で、


広告主が”それなり”のお金を払っています。



ということは、広告主は”それなり”のお金を払っても、売上で取り返せると思っているわけです。


戦略としては正解です。



以下、少し数字が出てきますが、数字嫌悪マンの方は飛ばしていただいてもかまいません。



定価を1,000円に設定した商品があって、通常なら1日10個売れて日商10,000円とします。


そこで30,000円の広告費をかけてCMを打ち、売上個数が増えたとします。


このとき、定価1,000円のままでは、1日に3倍の30個売れても売上は30,000円。


広告費で相殺されてしまい、これでは広告を打たないほうが良い、となります。


そこでどうするかというと、1個あたりの単価を上げるのです。


1個1,500円にすれば、1,500×30=45,000円、広告費30,000円を引いても日商15,000円となり


広告を打って儲かった、となるわけです。



何が言いたいかというと、広告を打っている商品の定価には、


商品自体の原価や人件費、その他諸経費に加えて”広告費”が含まれているということです。



これ自体は全くもって普通のことで、すでに知っている方もこれにとやかく言う人はいないでしょう。


このお店のこの味が好き、このブランドのバッグが好き、なら良いのです。


ただ、これが防災、もっと言うと「命に関わる商品」となると個人的な心境としては複雑です。



どういうことか?



上記のように、広告を打っている商品は内容に対して値段が高いです。


上記の例で言えば、本来1,000円でも提供できる内容の商品を1,500円で提供しているわけですから。


買う側からすれば「コスパが悪い」です。



弊社がTwitterで123人にとった


「あなた、もしくはあなたのご家庭で防災用品にかけられるお金はいくらくらいですか?」


というアンケートに対して、66.1%が「0~10,000円」という回答でした。


その感覚で、広告を打っている会社の1人用防災セットを調べてみたら


”19,800円”



「たっっっっっか!!!」


ですよね。


しかも1人用です。


4人家族であれば、×4。




「防災セットはまた今度。」




こうなります。


これが広告の良くないところです。



反面、良いところもあります。


それは単純に「防災セット」という商品自体の認知度が上がる、という点です。


当然、広告を打っている会社の商品の認知度が一番上がるわけですが、


防災セットという商品ジャンル自体が認知されることで、業界も盛り上がり


ひいては日本の人々の防災意識も高まります。


弊社には「モノと一緒に”意識”も提供したい」というポリシーがあるため


これは大変よろしい事態です。



ここまで長々と書き連ねてきましたが、


会社に属する人間が勤務時間中に文章を書くときに何を思うか、


身も蓋もない言い方をすれば


「売上に貢献せねば」


です。



こんなところまで読んでくださった方はそうそういないと思いますが、


今これを読んでいるあなたにはお伝えしたい。




「うちの防災セットはめっっっっちゃコスパ良いぞ!」




すみません、だいぶフランクになってしまいました。


がしかし、


本当に業界の中でも入っているアイテムが多く、それでいて安い。


上述した広告費以外にも、商品の受注ラインや会社規模など


コストを下げられるところはとことん下げて、高コスパを実現しています。



だからですね…ほら…まあその…


商品見てってくれません???笑



よろしくお願いします。



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